ひょうたんグループ提供
  「マクベス」(ひたち野外オペラ第4回公演)
2015.8.22

シビックセンタの垂幕
2015年8月22日に日立シビックセンター新都市広場にて、ひたち野外オペラ「マクベス」が上演された。2001年の「トゥーランドット」、2005年の「カルメン」、 2008年の「アイーダ」に連なる今回の野外公演はヴェルディの「マクベス」。魔女の予言にまどわされ、栄光を手にしながら破滅していくマクベスの悲劇を、原語のイタリア語で高らかに歌い上げた。生のオーケストラに彩られて野外でのオペラを鑑賞するという贅沢な三時間であった。

開場前の会場
舞台の中で際立っていたのが、主人公がマクベス一人でないことだ。マクベス夫人も主役として車の両輪のようにマクベスをあおり、励まし、不安に苦しみ、悪へと堕ちて行く。その演技が素晴らしかった。

街灯もマクベス
舞台芸術でありながら音楽芸術であるオペラの面白さもあった。マクベス、マクベス夫人その場面のその他のメインの歌い手、群集などの二部、三部のことなるせりふが同時に音楽によって伝わることに、驚きと快感を覚えた。

開演前の会場
今回の上演の関係者は300名をこえ、合唱団、児童合唱団、舞踏団、オーケストラ、吹奏楽団、音楽スタッフ、舞台スタッフなど多くの人の力で上演が実現した。 観客席は人の熱気であふれていた。アリアやバレエの終わりには自然発生的に「ブラボー」という歓声が飛び、児童合唱団の演技ではあたたかい拍手が起きた。観客席全体が、舞台の一場面のようなつくりになっているのが面白かった。

休憩中の会場
合唱団として参加した男性メンバーの方のお話を聞いた。 「今回でオペラ参加は2回目でしたが、今回はマエストロ共々オペラを作るムードに溢れ練習はややハードでしたが実に楽しくやることができました。バレエ、オーケストラ他、このようなことができる日立市の底力は凄いと思いました。」

終演後の挨拶
日立では市の予算の関係で河原子海岸の「サンドアートフェスティバル」が今年でうちきりになるなど、資金面でイベントを企画することが厳しくなっている現状があるという。 そんな環境であっても日立の文化として根付きつつあるオペラ公演が、今後も継承されて行くことを祈りたい。


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