「ひょうたん」グループ提供 日立市

縁起物の置物  ひょうたん
 


  今回は、この英文広報誌のタイトルになっている「Hyotan」も縁起物の1つであることを紹介します。ひょうたんはウリ科の植物で、上下が丸く真ん中がくびれた形の実がなります。日本のことわざに「ひょうたん(瓢箪)からこま(駒)が出る」というのがあります。駒とは馬のことで、ひょうたんから馬が出で来るはずはないのです。これは意外な所から意外なものが現れるというたとえです。この月間情報誌も発刊して約17年になりますが、皆さんが本誌を読んだ時に、意外な何か役に立つ生活情報(unexpected benefits)が得られればとの期待から名付けられました。
 
  ひょうたんは、最古の園芸植物ひとつで、原産地のアフリカから食用や楽器、茶器などの加工材料として全世界に広まったと伝えられています。日本では、夏の日の日除けとして、軒先にひょうたんの棚づくりが行われ、清々しい青葉にひょうたんの実が下がる光景は夏の風物詩でした。ひょうたんの実は、中の果肉を取り除き、乾燥させると容器として使えるようになるため、水やお酒、薬、農作物の種入れなどに使われました。特に作物の種入れとして用いられてきた歴史は長く、「ひょうた んの中に入れた種は必ず芽が出る」(幸福や成功のチャンスがめぐってくる)と言われています。ひょうたんは、胴にくびれのある独自のユーモラス形に人々は何とも言い表せない親しみを感じ、いろいろなたとえがあります。例えば、三つそろえば三拍(瓢)子そろって縁起が良い、六つ揃えば無病(六瓢)息災のお守りになるとされます。またひょうたんといえば豊臣秀吉(1537〜1598)を思い出します。秀吉は戦国時代、戦いに勝つ度に旗印にひょうたん模様(motif)を一つ一つ増やし、後に秀吉の千成瓢箪として有名になりました。これも勝負のツキを呼び込む縁起物として知られています。 

この文章の英語訳     縁起物の目次)   (トップページ

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