「ひょうたん」グループ提供 日立市

縁起物

 (かめ)


 皆さんは「亀」についてどのようなイメージをお持ちですか?甲羅を背負ってのろのろ歩く生き物?外敵に出会うと首をすくめて甲羅の中に頭をかくしてしまう臆病な動物?でも、自分の行きたい方へゆっくり、まっすぐ歩いていますね。
 古代中国では仙人が住む不老長寿の地として信じられた蓬莱山(ほうらいざん、中国に伝わる霊山の1つ)の使いとされ、大変めでたい動物とされていたようです。日本においても「亀は万年」と言われて、長寿を象徴するめでたい動物とされています。昔から家の中で亀を飼育すれば、家族の長が十分長生きできると信じられています。そして、亀は長寿の象徴だけでなく、守備が堅い(身を守る)ことの象徴とも云われています。なぜなのでしょうか?それは亀が甲羅を持っていることに起因しているようです。亀の甲羅は、外側が多数の六角形の紋様の鱗(うろこ)で作られ、内側が骨で形成され、両方が堅固に合わさっています。
中国では、亀は背中の上に「天地」を乗せて運ぶ生き物とたとえられています。つまり上側の甲羅はあたかも天のように円形にカーブしていて、下側の甲羅は地のように平らになっているからです。亀の甲羅が生まれつき球形になっている理由にはいろいろの説があるようですが、それはともかくとして、球形は宇宙からのエネルギーをより多く吸収しやすいと言われています。これが亀の持つ不思議な力(長寿や堅固な守り)の源になっているのかもしれませんね。
日本では、亀の置物は結婚式のような、おめでたいセレモニーには欠かせない贈り物として用いられています。そして、亀の置物を家の中に飾るときには、家の北側に置けば、幸運がもたらされるそうです。

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