「ひょうたん」グループ提供 日立市

縁 起 物

たぬき ( 狸 )

 

 
皆さんは「たぬき」についてどのようなイメージをお持ちですか?ユーモラス顔、大きなお腹、ずんぐりむっくりの動物?それとも悪賢い、人を騙す動物? よく外国人が初めて日本へ来た時、彼等はいろいろな店の軒先に小さな犬だかアナグマだか分からないような動物の置物がおいてあるのを目にし、 「一体これはなんだろう?」と首をかしげるそうです。これらは、たぬきの立像です。日本では、たぬきのユーモラスで福々しい姿は縁起物として人気があります。 そして、ta-nukiは「他を抜く」という語呂から、商売繁盛の縁起物になっています。立像をよく見ると、災難から身を守るために笠をかぶり、そして愛想のいい顔をして、 右手に大福帳(通帳)、左手にとっくり(おさけを入れたビン)を持っています。この姿は、まさに商売繁盛を象徴しています。


  日本の民話では、狐とたぬきは、人を騙す動物と云われています。彼等はしばしば姿を変えて旅人をだますと言われています。そのため彼らのイメージは必ずしもよくありません。 ただ、たぬきは、なんとなくぞっとするような狐とは違って、だまし方がユーモラスです。たぬきについての有名な、滑稽  なお話しに「ぶんぶく茶釜」があります。ある日、罠に捕まったたぬきが貧乏な老人に助けられ、感謝したたぬきが恩返しに茶釜に化け、貧乏な老人を裕福にしたという狸の 引起こす騒動を描いた民話があります。ぶんぶくは分福(福を分け、拡げる)を意味し、茶釜は湯を沸かすやかんで、たぬきの化身です。さて、古来より、 たぬきは酒が大好きな動物で、彼等はしばしば人間に化けて、木の葉をお金に変え、酒を買いに来たと伝えられています。いまでも日本のウイスキーには「たぬき」 の愛称が付けられたブランドがあります。そのほかに、タヌキ寝入りとか、狸親父とか、たぬきにまつわるいろいろな言葉があります。たぬきの置物は、お土産や新築祝い、 新店の開店祝いに喜ばれています。
 

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